なぜ「女系天皇」はいけないのか?

政治家の判断

 

 

「女性宮家」の創設について、政治の世界でなかなか結論が出ない背景には、あくまでも一説ですが、与党である自民党の中に「女性宮家」は「女系天皇」につながるという考えからこれに反対する根強い意見があるからといわれています。

 

 

自民党内には「女系天皇」に反対する意見が多いのはどうしてなのでしょうか。理由として推測されるのは、「日本会議」の影響です。「日本会議」は、会長は元最高裁長官の三好達氏、全国9ブロック47都道府県に何らかの組織を持っている日本最大の保守系組織です。もちろん多くの自民党の政治家はこれに参加しています。この団体には、安倍首相も支持しています。

 

 

「日本会議」は、もともと男系にもとづく皇位継承を求める運動を展開しています。日本会議に所属する国会議員で構成される懇談会においても、女性宮家創設に反対意見が挙がっています。女性宮家の代わりに、旧宮家(敗戦を機に皇族から離脱した宮家)を復活させて男系の維持をしようと訴える声もあるようです。

 

 

議員全員ではないにしろ、男系男子にこだわることが自民党の政治家の考えにあると考えられます。「女系・男系になぜこだわるのか」は、言ってみれば、天皇制の在り方をめぐる対立なのかもしれません。結論が出るまでに、まだまだ時間がかかりそうです。